遠くの人に、どうやって、どれだけ速く知らせてきたのか。烽(のろし)や駅馬から、郵便・電信・電話、携帯電話、インターネットまでを、年表と統計の数字で見ます。
本ページの基準:Web上で公開されている情報から書きました。年表の各項目には、確認の程度(◎〇)を付けています。詳しくは末尾の「利用条件・免責事項」をご覧ください。
| 時代 | 主な手段 | 担い手 |
|---|---|---|
| 古代 | 烽(のろし)、駅馬・伝馬。文書や使者を運ぶ | 国(律令制)。駅戸が駅馬を飼い、庸・雑徭を免除された |
| 中世 | 早馬・飛脚。鎌倉・京都間に伝馬の飛脚 | 幕府と朝廷、荘園領主。民間の問丸も荷を運んだ |
| 江戸 | 公用飛脚と町飛脚。江戸・京・大坂の飛脚問屋仲間 | 幕府・藩と、民間の飛脚問屋。町人も使えたが高額 |
| 明治〜戦前 | 郵便(1871)、電信(1869)、電話(1890)、無線、ラジオ(1925) | 国(逓信省)の独占。飛脚問屋は通運会社へ |
| 戦後〜1970年代 | 電話の積滞解消(1978)、全国ダイヤル自動化(1979)、テレビ(1953) | 電電公社(1952〜1985) |
| 1980〜90年代 | VAN(1982)、民営化(1985)、携帯電話・ポケベル・PHS、インターネットの商用化(1993) | NTT・新規参入、VAN事業者、プロバイダ |
| 2000年代〜 | iモード(1999)、携帯が固定を上回る(2000)、ブロードバンド、3G・LTE・5G | 携帯会社、プロバイダ、光回線 |
| 年 | できごと | 確認 |
|---|---|---|
| 664 | 対馬・壱岐・筑紫に防人と烽火(とぶひ)を置く。前年の白村江の敗戦後の防衛策。資料は入試問題文で、一次史料ではない | 〇 |
| 701〜718 | 大宝律令・養老律令に駅制・伝馬制が定められる。駅制は主に文書など情報の往来、伝馬制は使者の送り迎え | 〇 |
| 10世紀初 | 『延喜式』の時代。全国に402の駅、駅馬は計約4,000匹。山陽道は1駅20匹、東海・東山道は10匹、その他は5匹が基準 | 〇 |
| 1180 | 『吾妻鏡』治承4年9月7日条に「飛脚」の初出例(木曾の陣に飛脚を遣わして事情を知らせた)。鎌倉時代には鎌倉・京都間に伝馬による飛脚があった | 〇 |
| 江戸期 | 公用の飛脚のほかに町飛脚があり、一般の人も使えた。ただし民間経営で、範囲は東海道など一定地域に限られ、料金も高かった。江戸の定飛脚問屋(京屋・嶋屋・和泉屋)は大名家の御用も請け負った | ◎ |
| 1869 | 東京(築地)と横浜を結ぶ約32kmの電信線の架設工事が始まる(10月23日)。1870年1月26日に業務開始。日本の公衆電気通信の最初 | 〇 |
| 1871 | 新式郵便が東京・京都・大阪とその間の東海道筋で始まる(3月1日。太政官布告は1月24日)。前島密が1870年に建議した。当初の料金は距離制 | ◎ |
| 1871 | デンマークの大北電信会社が敷設した長崎〜上海の海底電信線が開通(6月18日)。日本の国際通信の始まり。当初は電信用1回線のみ | ◎ |
| 1873 | 郵便料金が重さを基準にした全国均一制になる(4月1日)。この年、郵便事業は政府の独占になった。翌1874年に北海道の一部を除き全国で実施。飛脚問屋の一部は内国通運に転身した | ◎ |
| 1877 | 電話機が日本に輸入され、研究開発が始まる | 〇 |
| 1879 | 日本が万国電信連合(現在のITU)に加盟 | 〇 |
| 1885 | 逓信省が設置される。1949年に廃止され、郵政省と電気通信省に分かれた | 〇 |
| 1890 | 逓信省が東京市内と横浜市内の間で電話事業を開始(12月16日) | 〇 |
| 1906 | 国際通信を他国の海底線に頼る不利を避けるため、政府が米国の会社と協力し、東京〜グアムの海底線を敷設。ただしこの線も同社に属し、料金面などで不利な点が多かった | ◎ |
| 1915 | 無線による国際電信が始まる(落石〜ペトロパブロフスク。翌年に船橋〜ハワイ) | 〇 |
| 1925 | 社団法人東京放送局が日本初のラジオ放送を開始(本放送は7月12日)。翌1926年にNHK(日本放送協会)が発足。日付は8月6日とも20日とも書かれ、資料により食い違う | 〇 |
| 1952 | 日本電信電話公社(電電公社)が発足。設立時の加入電話は約140万。戦後の復興途上で、設備は荒廃していた | 〇 |
| 1953 | NHKがテレビ本放送を開始(2月1日)。日本テレビも同年に開局 | 〇 |
| 1960 | カラー本放送が始まったとする資料と、1964年の東京オリンピックを機とする資料がある | 〇 |
| 1963 | 電報の利用がピーク(年間約9,461万通とされる。記念日情報サイトの数字で、公的統計では未確認) | 〇 |
| 1973 | 加入電話の契約数が2,417万に達する(1973年度) | ◎ |
| 1978〜79 | 電電公社の二大目標が達成される。加入電話の積滞(申し込んでもつかない状態)の解消が1978年、全国ダイヤル自動化が1979年。昭和53年版白書は積滞解消を昭和52年度末と記す | ◎ |
| 1979 | 電電公社が民間用として世界初のセルラー方式の自動車電話サービスを開始(第1世代) | ◎ |
| 1984 | JUNETが東京大学・東京工業大学・慶應義塾大学の3大学を結んで実験開始(10月)。のち約700の機関を結ぶ | ◎ |
| 1982 | 公衆電気通信法が改正され、VANの自由化と中小企業VAN制度の創設が行われる(10月施行) | ◎ |
| 1985 | 電電公社が民営化されNTTが発足し、電気通信事業法が施行される(4月)。通信に競争が持ち込まれた。同年、肩掛け型のショルダーホン(約3kg、保証金約20万円)が登場 | ◎ |
| 1987 | NTTが小型・軽量の端末による携帯電話サービスを開始 | ◎ |
| 1992〜93 | 日本初の商用プロバイダIIJが設立される(1992年)。日本でインターネットの商用利用が始まる(1993年) | ◎ |
| 1995〜96 | PHSのサービスが始まる(1995年)。ポケットベルの契約数が1996年8月の1,077万8千台でピークになり、その後は携帯電話・PHSに押されて減る | 〇 |
| 1996〜97 | 加入電話の契約数のピーク(1996年度に6,153万件)。ISDNを含めた固定電話の契約数のピークは1997年11月の6,322万 | ◎ |
| 1999 | NTTドコモが「iモード」を開始(2月22日)。月額使用料300円。契約数は2001年3月に2,000万、同年12月に3,000万を超えた | 〇 |
| 2000 | 携帯電話(PHS含む)の契約数が固定電話を上回る(11月)。音声通信の主役が交代した | ◎ |
| 2001 | 第3世代(3G)のサービスが始まる(NTTドコモの「FOMA」) | ◎ |
| 2003〜11 | 地上デジタル放送が一部の地域で始まる(2003年)。全都道府県で始まる(2006年12月)。地上アナログ放送が東北3県を除いて終了(2011年7月24日) | 〇 |
| 2006 | ADSLなどのDSLの契約数が初めて前年を下回る(2006年度末)。光ファイバ(FTTH)が伸びを担う | ◎ |
| 2010 | 第3.9世代のLTEサービスが始まる(12月) | ◎ |
| 2019 | 日本の最後のポケットベルのサービスが終了 | 〇 |
| 2020 | 第5世代(5G)の商用サービスが始まる(3月) | ◎ |
| 年度 | 契約数(万件) | 備考 |
|---|---|---|
| 1952 | 約140 | 電電公社の設立時 |
| 1973 | 2,417 | |
| 1981 | 4,000超 | |
| 1996 | 6,153 | 加入電話のピーク |
| 2008 | 4,137 |
加入電話にISDNを加えた固定電話の契約数は、1997年11月の6,322万がピークで、2015年時点では約2,693万(ピークの約4.3割)に減りました。白書により、固定電話に何を含めるかが年によって違うため、数字の比較には注意が必要です。
| 時点 | 内容 |
|---|---|
| 2000年11月 | 携帯電話(PHSを含む)の契約数が、固定電話の契約数を上回る |
| 2015年6月末 | 移動電話 1億5,602万契約 |
| 2016年度末 | 移動系通信(携帯電話・PHS・BWA) 1億6,792万契約 |
| 2018年度末 | 移動系通信 1億8,045万契約 |
| 2023年12月末 | 移動通信の契約数は固定通信の約15.8倍 |
| 2024年末 | 移動通信の契約数は固定通信の約17.3倍 |
令和5年度末などの移動系通信の契約数そのもの(実数)は、今回確認できていません。
| 時点 | 契約数 |
|---|---|
| 1996年8月 | 1,077万8千台(ピーク) |
| 1999年末 | 約280万 |
PHS(1995年)と携帯電話の普及で急に減りました。報道には、1社(東京テレメッセージ)の契約者が1996年に最高の120万人という数字もありますが、全国の数字ではありません。
| 年度末 | 全体 | DSL | FTTH(光) |
|---|---|---|---|
| 2005 | 約2,330万 | 約1,452万 | 約546万 |
| 2006 | 2,644万 | 1,401万(前年比-3.5%) | 880万(前年比+61.3%) |
| 2021 | 4,383万 | FTTH・DSL・CATV・FWAの合計 | |
DSLは2006年度末に初めて前年を下回り、以後は光ファイバが伸びました。DSLの契約数のピークの年と数字は、今回確認できていません。
| 年 | 利用率 | 備考 |
|---|---|---|
| 1997 | 9.2% | 二次資料による(白書の引用) |
| 1999 | 21.4% | 同上 |
| 2000 | 37.1% | 同上 |
| 2022 | 84.9% | スマートフォン71.2%、パソコン48.5% |
| 2023 | 86.2% | スマートフォン72.9%、パソコン47.4% |
| 2024 | 85.6% | スマートフォン74.4%、パソコン46.8% |
13〜59歳の各年齢層は9割を超え、60歳以降は年齢が上がるほど利用率が下がります。令和元年調査で調査票の設計が一部変わったため、経年比較には注意が必要と白書に書かれています。
詳しくは 日本の流通の歴史 をご覧ください。
食べものや生活の歴史は、日本人の食生活の歴史、日本のお茶の歴史、日本のはちみつの歴史、貨幣価値換算表もご覧ください。